
京都御所の北に広がる幸神町には、ひっそりとたたずむ歴史ある神社「幸神社」がある。この社は、かつて「出雲路幸神」や「出雲路道祖神社」とも呼ばれていたように、長い年月を通じて地域に根付いた信仰の場となってきた。
社殿には、導きの神として知られる猿田彦大神を主祭神とし、そのほかにも天之御中主神、可美葦牙彦舅尊、天照大神、瓊々杵尊、天鈿女命、大国主命、少彦名命、事代主命といった八柱の神々が共に祀られている。いずれも日本神話に登場する由緒深い神々であり、多彩な御神徳を持つとされる。
この神社は、災厄や疫病から人々を守る道祖神として信仰を集めてきた。方角を司る神として、鬼門除けの守護神ともされるほか、芸能の上達や旅の安全を願う参拝者も多い。
境内には「御石さん」と呼ばれる信仰対象の石があり、縁結びや浮気封じの御利益があるとして、近年では特に女性の参拝者からの関心を集めている。素朴ながら力強い霊験を感じさせるこの石は、今も静かに訪れる人々を見守っている。
歴史
- 幸神社の創建年代は不明だが、神代の昔に祭祀が行われていたと伝えられる。
- 平安時代初期、桓武天皇による平安京造営に伴い、都の鬼門を守る社として創建されたとされる。
- 応仁の乱によって焼失し、のちに現在地へと遷座された。
- 江戸時代にはたびたび火災で焼失したが、その都度再建されてきた。
末社
- 三天社:天照大神、建御雷命、大国主命を祭神とする。
- 稲荷社:天穂日命、大気津姫命、三穂津姫命を祀っている。
- 竃神社:歳神、奥津彦命、奥津姫命をお祀りしており、家庭と火の守護神である。
- 天満宮:学問の神として知られる菅原道真を祀る。
- 淡嶋社:少彦名命をお祀りしている。
- 春日社:天児屋根命と太玉主命を祭神とし、古くから祭祀に関わる神として信仰されてきた。
- 厳島社:市寸島比売命を祀る。水の神、芸能の守護神として知られている。
- 稲荷神社:五社大明神、初寄大明神、岡元大明神、幸上大明神、山田大明神をそれぞれお祀りしている。
- 金毘羅社:素戔嗚尊、天御中主尊、大己貴尊、金山彦命、猿田彦大神を祭神とし、産業や海上の守護を担っている。
- 疫社:素戔嗚尊、大己貴尊、櫛稲田姫命、八嶋士双命、五十猛神を祀り、疫病除けの信仰を集めている。


